余白と塗り足しキャッチ画像

データ作成時の余白と塗り足しについて

今回は印刷用データの作成時の知識として欠かせない【余白】【塗り足し】についてのお話です。

これからデータを作成しようとしている方はぜひ、参考にしてみてください。

余白と塗り足しとは?

そもそも【余白】と【塗り足し】とはなんなのか、どうして必要なのか?簡単にわかりやすく解説していきます。

余白と塗り足しの解説画像

上記画像の黒線部分を紙の寸法(紙端)と考えた際、内側の水色が「余白」部分、外側のピンク色が「塗り足し」部分となります。

ざっくり簡単に説明すると、「余白」は紙の内側に対して余裕を持たせること、「塗り足し」とは紙の外側に対して余裕を持たせることと考えてOKでしょう。

紙の内側に対しての余白はまだ理解できるとして、何故紙の外側に余裕を持たせる必要があるのでしょうか?それを事項で説明していきます。

余白と塗り足しが必要な理由

さて、次は何故「余白」と「塗り足し」が必要なのかを理解していきましょう。

まず前提として印刷を行う際、出来上がりの用紙サイズよりも大きいサイズに印刷します。その後、断裁という工程で仕上がりのサイズに紙をカットすることで用紙のサイズを揃えます。
仕上がりより大きめの紙に印刷する理由はいくつかありますが、簡単に説明すると1つ目は印刷機が紙を引っ張り移動させるための持ち手部分が必要であること(クワエと言います)。そして2つ目は、大きめのサイズに印刷後に断裁することで紙の角がキレイに出て、仕上がりの寸法もしっかりと揃ってくれることです。「キレイに仕上げるために断裁しているんだな」くらいに思っていれば大丈夫です。

少し話がそれましたが、余白と塗り足しの話に戻りましょう。勘の良い方は何となくお気づきかもしれませんね。

余白と塗り足しが必要な理由はこの断裁時に生じる若干のズレに対応させるためです。

断裁が1mmズレると紙端ぴったりに背景が敷かれていた場合、ズレた1mm分は印刷されていない【紙の色(白)】が出てしまうことになります。また仕上がりのサイズは決まっているため、外側に対して1mmズレたということは当然その対面の紙端は内側に1mmズレているということになります。
つまり、余白・塗り足しが不足していると出来上がりの印刷物に【思わぬ白い部分が出る】【必要な文字が切れている】などといったトラブルが発生してしまう可能性があるのです。

そんなのは印刷屋側で気をつけろよ!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在の技術では1mm程度のズレをどうにかすることはできません。そのため作成するデータに少なからず余裕を持たせておくことが大切になってくるわけです。

余白と塗り足しの作り方

余白と塗り足しが必要理由について何となくわかってきたら、次は余白と塗り足しの作り方について解説していきます。

前提として紙の内側・外側それぞれに最低3mmずつの余白・塗り足しが必要になります。

先日記事として公開した「印刷前のチェックシート」のデータを例として見て見ましょう。

余白と塗り足しサンプル

余白と塗り足しの説明がしやすいようにオレンジの背景で文字を枠で囲っただけのシンプルなデザインで作成しました。
この中で紙端の黒線から文字を囲っている黒背景・白背景の端までの距離が余白です。紙端の黒線から赤い点線までのオレンジ背景部分が塗り足しになっています。

作り方については特に難しく考える必要はありません。
必要な文字情報などは【紙端から3mm以上の余白を開けて配置する】、塗り足しについては【紙端まで背景色や画像がある場合は紙の外側に最低3mmはみ出させて作成する】これだけ覚えていれば基本的に何の問題ありません。

しかし、紙端から内容までの余白が3mmしかない印刷物は、窮屈で見づらい印象を与えてしまう可能性があるため、名刺などの仕上がりサイズの小さい印刷物以外は【紙端から5mm以上の余白】をとって作り始めるといいかもしれませんね。

終わりに

印刷用データを作成する際の「余白」と「塗り足し」について簡単に解説して見ました。印刷時のトラブルを少しでも回避するため作成するデータには必ず余白と塗り足しを作っておきましょう。
印刷会社によるデータ調整の必要等がなくなるため、納品までがスムーズになる他、データ調整時の思わぬトラブルなども回避できるようになりますよ。

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